KIKORI

私達はRainbowをしっている

暇は、ラグジュアリー

最近Youtubeをみるようになった。結構見ていて好きなのは、ハワイの山奥の家に住んでいるYoutuberの、ヨガから始まる朝のルーティンとか、ヴィーガン食とか、ナチュラルスキンケアなどを含んだ彼女達の生活をみれるチャンネルだ。

窓を開けっぱなしで寝て、朝は差し込む柔らかな光に起こされ、扇風機さえも無縁な窓から入る森林のそよ風など、私の生活とはかけ離れているところが、見ていて面白いと思う。昔、やくざ映画が大好きな人がいて、「何で?」と聞いたら、「自分の日常とは程遠い世界だから。」と言っていた意味が、なんとなく分かるような気がする。

彼女達の髪の気は伸ばしっぱなし?なのか、大体みんな腰までくるぐらい長く、それをくるくるっとお団子にまとめて、顔を洗い、スムージーなんかを用意する動画は、心が洗われる感じがするぐらい、美しいと思う。

私は都会に住んでいるから、窓を開けて寝れば確実に泥棒が入るし、夏は絶対に冷房が必要で、イタリアはオーガニックコスメが流行らないから、欲しいブランドは売ってないし、窓を開けても海や森があるわけではなく、車のクラクションがうるさいだけだけど、ま、良いところは、朝、それぞれの家庭のコーヒーの香りが、気分を優雅にしてくれる。

朝日をSPFなしで10分浴びる、とか、まず娘の部屋にしか朝日が入らないのと、その角度が微妙だし、たまに向かいのビルの人と目が合っちゃったりして、気まずくなるから、彼女達の生活をみていると、気持ち良いだろうなぁ、自然に触れられていいなぁ、と、見ているだけで、ヒーリング効果があったりする。

表面的にそれらを見ているだけなら良いのだけど、ハマったりして、次から次へと、Q&Aとか見ていくと、結構高い確率で、スピリチュアルな彼女達は昔、鬱だった、とか、自殺願望があった、とかが多く、髪や体も石鹸は使わない、とか、むしろ洗わないとか、下着は履かないとかで、「香り大好き」の私は、ちょっと引き気味になる。あのまとめたお団子の髪のうるおいは、むしろヘアオイルではなく、頭皮の油だったのか、と、その野蛮?さに、憧れなくなることが多いことに気づいた。

ただ、彼女達の方が確実に長生きしそうだし、お肌も潤っているし、どうみても健康的で美しい。人間の日常って様々なチョイスの連続と、そのくりかえしなのだろうな、と思う。

私は今週セルフメンテナンスの週にしようと、ヴィーガンに近い食事をしながら、髪、体やお肌のケアも全てオーガニックのものにしたら、生理前だというのに、体調もお肌の調子もよく、余計なものをそぎおとしたことで、五感が鋭くなるから、このタイミングで、15年使ってきた香水を変えてみようと、香水店に行き、時間と共に変わる一つ一つのノートを嗅ぎながら、それをどう脳が反応するかを感じ、調香師の生い立ちやキャリア、想いや願いまで調べ尽くして、センセーショナルな時を過ごしながら、キラキラの愛の妙薬を手に入れた。

新しい香りに包まれて、面白いぐらいに、私の佇まいも、思考回路も、美しい魔法にかかり、理想の自分に近づいていける。料理をしていても、感覚で「コクがほしいな」と思うと、今まで考えなかった煮物にちょっとGheeを入れてみたりして、嬉しい発見もあった。掃除も、まるで大切な生き物を扱うように、丁寧に磨き上げ、終わった後の爽快感は計り知れない。

セルフィ―なんかも撮ったりして、料理の写真と一緒に姉に送ると、すかさず「暇なの?」と爆笑の絵文字と共に返信がきて、「そう。今週はわざと暇な時間を作っているの」と返事打ちながら、気づいてしまった。「暇」ってすごいラグジュアリーなのだ、と。

もちろんいつも暇だと、つまらなくなるのだろうけれど、私の人生、つまらなくなるほどの暇なんてなかったから、この時間を作ることで、最初に話したYoutuber達の日常のように、こんなにも五感を満たすことができるのか、と、また一つ人生のコツのようなものをつかめた気がした。

何が言いたいかって、この風の時代に入っても、まだまだ、高価な物がある方が豊かだとか、忙しい方が偉いとか、約束がいっぱいある方が充実しているとか、勘違いしている人が多い。豊かさや充実というのは、人にみせるものではなく、自分が感じなきゃいけないことだ。また、ずっと前から思っていたのだけど、仕事でも何でも、パッションを持ってやっている人は「忙しい」を心から楽しんでいる。

自分に問いかけてみよう。他人に評価されないでいい、「豊かさ」と「充実」と「楽しい」が本当にあるか、どうか。

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今日のおかず