KIKORI

私達はRainbowをしっている

愛のムチは、打った方が痛い

テニスプレーヤーの息子は、1か月ほど前に、試合で全身痙攣し、救急車で運ばれ、後日アスリートのメディカルチェックを受け、「フェラーリのような肉体だ!」とドクターに絶賛されたが、その後「ガソリン不足のね」とも言われた。

鉄欠乏性貧血と診断され、処方された鉄のピルを飲みながら、グラム数まで栄養士に言われた通りの食事を作って食べているが、私が見ても明らかに量が少なく、お腹が空いて練習中もミスれば、テンパ-を失っているらしい。

コーチも私も、「たのむから、もっと食べて。」と言うと、「とりあえずあと1週間は栄養士の言うことをきく。彼はエキスパートなのだから。」と。

鉄不足が改善されるまで試合は出ない、ということだったのだけど、本来は息子のランキングでは出場できないトーナメントのワイルドカードをもらえることになった。それも4日後。

「試合に出るなら、負けても、”万全な状態じゃなかった”とかは口が裂けても言わないこと」と言ったら、息子は「そういうことは言ったことがない」とすぐ返した。「そう”思う”のもナシだから。」と言ったら、「それも絶対ない。」と答え、彼が真っ先に電話したのは栄養士。食事の量を増やしてもらったらしい。

今朝娘から電話がきた。イタリアでは友達、家族、一人の時間と黄金バランスがとれていたから、アメリカ渡ってから約3週間が経ち、常にルームメイトや誰かがまわりにいて、自分のスペースがないことに疲れを感じているようだった。

どの学生も同じなのだろうけれど、実家が近い子も多く、週末は親元に帰ったりしている学生も少なくないらしい。「まだキャンプにいる感じ。ここに住んでいるって気がしないの。なんかルーティンがまだできていなくて3週間も経ったのに。これまでマミーがいてくれたから全部簡単だった。」と、ま、早い話ホームシックにかかっているのだろう。

11月にアメリカの入国制限がなくなるかもしれなく、「11月のThanksgivingのお休み、来れる?」と聞かれたが、「あなたはよくやっている。一人で全てを整え、勉強も頑張り、友達もたくさん作って。3週間経って疲れが少し出てきたんだね。睡眠大切だから。」と、休みに関しては返事をはぐらかした。

ここは、二人がもっと強くなれる成長のチャンス。体調が整っていない時の自分を集中力で引き上げていき、自分の持っている以上の力を発揮できる時もある。戦うと決めたら自分の心に1ミリの隙も与えないこと。

また、娘に関しては、不都合や不足を経験し、疲れたり心細くなることも大事だから。自分で自分を励ましながら、責任を果たしたら、見えなかった景色が見えてくる。それを積み重ねていくことで、どんなことにも耐えられる強い心が育つ。

きっと彼らは、私との電話の後、気持ちを切り替え、引き締めて、前進する。

「頑張れ、頑張れ」と念を送りながら、ものすごく会いたくなってしまい、私自身は、3歩ほど後戻りをしてしまったようだ。

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徹底している健康管理

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ハンモックの上で寝っ転がる娘の足が愛おしい